生後四ヶ月

めでたく生後四ヶ月を過ぎたことだし、今日は娘が産まれた時のことを振りかえる。
今回は長いです。


陣痛が来たのは予定日より二週間以上早い、月曜日の早朝だった。
なんかお腹がズキズキするなと思って目が覚め、トイレにいっても腹痛が治まらない。
時計を見るとまだ朝の4時だったのでもう一眠りしたかったが、定期的にお腹が痛むのでそのたびに目が覚めてもう眠れなかった。
このときたしか20分間隔くらいで痛くなったと思う。
もしかして陣痛?と思ったが、予定日までまだ二週間ちょいあるし初産は予定日より遅れることも多いと聞いていたので、まさか違うだろうと考え直した。
それにこの日はちょうど検診で産婦人科に行く予定だったので、まぁその時も痛かったら様子を見てもらえばいいやと思った。
朝ごはんを食べながら旦那に「なんかお腹痛いんだよね~でもたぶん大丈夫だと思う」なんて話をした。

それから午前中に病院に行き、通常の検診で超音波検査やらなんやらを受けると、血圧がやけに高いと言われて急に入院することになった。
荷物を家に取りに帰って、午後にまた入院しに来いとのことだったので
まじか…めんどい…と思ったが、逆らうわけにもいかないのでしぶしぶ言う通りにする。
ちなみに検診の時に15~20分おきくらいにお腹が痛む旨を伝えたのだが、お医者さんの方でも特に産まれそうなそぶりは見せず、1週間くらい入院して血圧が下がったら1度退院しましょうと言われた。

だからてっきりまだまだ産まれないんだろうと思い、普通にニキロくらいの道のりをえっちらおっちらと歩いて帰った。
お腹が痛む時間(1分くらい)は痛くて歩けないので道ばたで立ち止まり、そのあと15分くらいは無痛時間なのでスタスタと歩けた。
いま考えるとなかなかリスキーなことをしていたかもしれない。道端で産まれなくて良かった。

午後から入院すると連絡したら旦那が半休をとって帰ってきてくれたので、荷物をもって車で再び病院へ。
この日のうちに産まれるなんて夢にも思っていなかったので、送ってもらったあと旦那はそのまま普通にうちへ帰宅。
私は血圧を下げる薬を点滴で打たれ、お風呂にも入っちゃいけないと言われて、ベッドに寝っころがりながら不便だなぁと思っていた。

お腹もあいかわらず痛むのに、血圧か下がったら退院ってことはこの腹痛はそのうち治まるの?
まさか産まれるまで何日もこの腹痛が持続するってことないよね?それはけっこうしんどいよねぇ
なんてことを考えていたら、痛むのが10分おきになってきて痛みもどんどん強くなってきた。
このとき20時半くらい。

あれっ、さっきまでは普通に痛いくらいだったけど、なんかさっきより痛みが増している気がする
というかこれはもうかなり痛いといって差しつかえないどうしよう

と、今までにない痛みに焦るのだけど
色々な人から「陣痛はすごい長引く」「産まれると思って病院に行ったらまだまだだと家に帰された」などなどの話を聞いていた私は
どのくらいのレベルの痛みになったら本当に産まれるのかが分からない。

今もう既に脂汗にじむくらいには痛いのに、これでナースコールして「いやいやまだまだ痛いのはこれからですよ」「この痛みは朝まで続きますよ」なんて言われたら普通に心が折れる
とぐるぐると考えていたら、破水してしまった。

破水といってもパーンッ ブシュー といったわけではなくて
下半身がじわ…と濡れてきたのでなんか出てる!と気付いた次第で。

破水したら流石にナースコールしても良いだろう!とちょっとホッとした。
ナースコールしたら看護師さんがすぐに来てくれて、様子を見てくれた。
たぶんこのとき看護師さんも、私がそこまで痛みを我慢しているとは思ってなかったのでしょうね。
「あら破水してしまったのですね、じゃちょっと見て見ましょうね」と普通のトーンだったのだけど
思いのほか状況は進んでいたみたいで、どうやらガッツリ子宮口があいているっぽかった。
「あっ、これもうお産はじまってますねー」と言われ、そのまますぐに分娩室に連れていかれることになった。
分娩室に行く前に、痛みと痛みの合間をぬって旦那に「破水してもうすぐ産まれそう」と電話をいれる。
この時21時半くらいでもう陣痛が5分間隔になっており、痛い時は話すのも歩くのもままならぬ感じ。
車椅子で分娩室まで連れていってもらって、分娩台にあがったのだが
どんどんと陣痛の間隔が狭まっていき、無痛の隙に車椅子を降りて分娩台に上がろうとするのだが
椅子から立って分娩台にのって横たわるというプロセスの合間に2回くらいの陣痛をはさみ、すごい大変だった。気がする。
ようやく分娩台に横たわることができ、ヤレヤレと思って時計を見ると21時40分だった。

お医者さんもやってきてさあ産みましょう、と準備は万端なわけですが
こちとら初めてなもので、ここからいざどうやって産まれるのかがよく分からない。
めっちゃ痛いしもう早く終わらせたい…と思って、先生に「これってあとどのくらいで産まれる感じですかね」と聞いてみたところ
「運が良ければ今夜中かな」と言われ、まだあと二時間以上もこの痛みが続くのかね!?とちょっと絶望する。

が、絶望もつかぬ間、そのあと何回かいきんだらヌルンッと産まれました。22時7分に娘誕生。
出てきた瞬間の赤ちゃんはなんか赤黒くテラテラしていて、顔はめっちゃしかめっつらだった。

産まれる瞬間に股間をスパーンッと切られるのですが、その瞬間の感じとしてはイテテーッくらいのもんです。麻酔なしでも。
むしろそのあと切った箇所を縫われるのが一番痛かった。陣痛はなんだかんだで夢中だったので、全体を通して一番辛かったのがこの縫合だったかも。

そんなこんなでしんどい後処理も終わり、22時半に家でオロオロしているであろう旦那に「産まれたよー」と電話をかける。
第一声は「え!?もう!?」だった。
そりゃまぁ一時間前に「破水した」って言われたばかりだったら驚くよねぇ。

そのあと12時頃まで二時間ほど分娩台の上でそのまま休み、自分の部屋に戻って就寝。
だけど興奮していたのか、疲れてるはずなのに明け方まで全然寝つけなかった。

赤ちゃんはけっこう小さく産まれたので、産まれてから4日ほど保育器にお世話になった。
私も高血圧が続いたので、3日ほど点滴をうけていた。
そんな感じだったので周囲に心配をかけたけど、母子ともにおおむね健康だったので
1週間後には二人そろって退院することができた。


結果的には分娩室に入って30分というスーパー安産だったけど
入院してなかったら危なかったかも。下手したらタクシーとかで出産してたかもしれない。
どのくらいまで我慢したらいいのか分からなくてギリギリまでこらえてしまったので、次があったら気をつけようと思う。